「貯蓄から投資へ」はどこまで進んだ?最新データから見える資産形成の現在地
新NISAのスタートから3年目を迎え、資産形成や投資への関心は引き続き高まっています。
日本銀行の統計データやNISAの利用状況を見ると、「貯蓄から投資へ」の流れが少しずつ進んでいることがわかります。
今回は、最新の統計データに加え、4月3日の「資産形成を考える日」に関連して5月に実施したYahoo!ニュースユーザー向けの共同アンケート結果も交えながら、家計の資産形成の現在地を見ていきます。
※「資産形成を考える日」は、多くの方に将来の資産形成の必要性を知っていただき、自分に必要な方法を考える日にしていただきたいという目的で、株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)が2017年に制定しました。
家計の資産形成はどう変化している?
日本銀行の「資金循環統計」によると、2025年12月末時点の家計金融資産残高は約2,351兆円となり、前年同期比5.3%増加しました。
家計金融資産は、過去最高水準となっています。ただし、この増加の多くは株価上昇などに伴う保有資産の評価額の増加が主な要因です。

投資信託への資金流入が続く
資産形成への関心が高まるなかで、家計のお金の置き場所にも少しずつ変化が見られています。
引き続き、日本銀行の「資金循環統計」のうち、家計金融資産の内訳を見ると、投資信託受益証券の残高は165兆円となり、前年比21.3%増となりました。
また、新たな資金の流れを見ると、投資信託や公社債への資金流入が続く一方で、株式は「実際に売り買いされた金額(取引要因ベース)」で見ると減少しています。
個別株への投資よりも、投資信託を活用した長期・積立型の資産形成へと資金が向かっている様子がうかがえます。

NISA利用は現役世代を中心に拡大
こうした動きの背景の一つに、新NISAの普及があります。
日本証券業協会の「NISA口座の開設・利用状況」によると、全金融機関におけるNISA口座数は約2,821万口座となり、前年末の約2,559万口座から増加しています。
年代別の普及率を見ても、30代や40代の現役世代を中心に上昇が続いており、投資が一般的な資産形成の選択肢として定着しつつあります。

リアルな声から見る資産形成の現在地
ここからは、生活者のリアルな声からも資産形成の現在地を見ていきます。
Yahoo!ニュースとLIMOの共同アンケートによると、「資産形成・資産運用をしていない」と回答した人が41.5%(17人)という結果となりました。
一方で、「今年から資産形成・資産運用を開始した」「今年から資産形成・資産運用の金額を増やした」「資産形成・資産運用の金額を変えていない」「今年から資産形成・資産運用の金額を減らした」と回答した人を合わせると58.6%(24人)となりました。
投資額の増減や開始時期に違いはあるものの、資産形成・資産運用に取り組んでいる人が過半数を占める結果となりました。

資産形成に関するアンケートの調査概要
調査日:2026年5月25日(月)〜6月8日(月)
対象者:Yahoo!ニュース「みんなの意見」回答者
回答数:41件
※小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100とはなりません。
※ 統計に基づく世論調査ではありません。
「貯蓄から投資へ」は進みつつある
最新データを見ると、投資信託への資金流入やNISA利用の拡大など、「貯蓄から投資へ」の流れは着実に進んでいます。特に現役世代を中心に、積立投資を活用した資産形成が広がりつつあります。
一方で、家計金融資産の約半分は依然として現金・預金が占めており、アンケート結果でも「資産形成・資産運用を行っていない」と回答する層が一定数存在しており、投資への参加状況には個人差があります。
こうした状況を踏まえると、誰もが自分に合った方法で資産形成を選択できる環境づくりが重要です。モニクルリサーチは、今後も正しい情報提供やサービスの提供を通じて、一人ひとりのお金に関する意思決定を支援していきます。
参考文献
「2026年第1四半期の資金循環(速報)」/日本銀行調査統計局
https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjall.pdf
「NISA口座の開設・利用状況(証券会社全社・2025年12月末時点)」/日本証券業協会
https://www.jsda.or.jp/shiryoshitsu/toukei/files/nisajoukyou/new_nisaall2.pdf
株式会社モニクルリサーチ
リサーチモニクルー編集部