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「LIMO」は読者が自分に合った選択をするためのコンテンツを届ける役割を果たしたい
LIMO編集長・宮野茉莉子に聞く

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株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)では、くらしに根ざした「お金」の情報をもっと身近に、もっと分かりやすく理解してもらうために「LIMO(リーモ)」という経済メディアを運営してきました。運営開始から10年が経過し、既存の経済メディアの読者層に限らない多様な読者からご愛読いただいています。

今年(2024年)4月、「LIMO」の編集長に、新たに宮野茉莉子(みやの・まりこ)が就任しました。今回は、これまでの自身のキャリアやこれからLIMOで実現していきたいこと、LIMOの展望などについて、宮野さんに話を聞きました。

※2024年9月4日付で、株式会社ナビゲータープラットフォームは株式会社モニクルリサーチに社名変更いたしました。

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株式会社モニクルリサーチ
メディア編集本部 LIMO編集長

宮野茉莉子 Mariko Miyano

1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学文理学部哲学科を卒業後、2008年に野村證券入社。支店にてリテール向け資産運用コンサルティング業務に従事。出産後はフリーランスのライターとして活動。2017年から「投信1」(現「LIMO」)へ寄稿。2021年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)に入社。LIMO編集部では編集者として金融コンテンツを担当。2023年にデピュティ・コンテンツ・マネージャー統括、2024年4月にLIMO編集長就任。

証券会社で金融営業を担当し、フリーランスライターへ転身

はじめに宮野さんの経歴について話を聞かせてください。宮野さんは、新卒で証券会社に入社されたんですよね。

はい、大学卒業後、新卒で証券会社に就職しました。金融機関の中でも、社会情勢や経済の状況によって、価格が毎日変動する商品を取り扱うのは面白そうだなという興味がありました。

また、母が投資をしていたので、証券会社は私にとって身近な存在だったことも大きかったです。父が結構早くに病気で亡くなっていて、母自身が投資が好きだというよりは、「医療系の会社を応援する気持ちで投資をしたい」と言っていたんです。そういった姿を見て、企業を応援する方法に投資があると知り、ただ儲けるための商品ではないのだと、魅力を感じていました。

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証券会社ではどういった業務をしていたのでしょうか。

個人向けのリテール営業を担当していました。すでに口座を開設している顧客向けに、新規商品の購入をご案内するために電話をかけて営業したり、新規顧客の開拓のために1日100件以上アプローチしたりしていました。

今思い返すと結構ハードな仕事でしたが、お客さまと話すのはすごく楽しかったですね。ほとんどが60代以上の方で、時間がある方もいらっしゃったので、社会情勢や経済の話をしたりしました。私もちゃんと情報をお伝えするために、毎日新聞を読んで、レポートを見て、勉強していましたね。

また、当時は基本的に毎月新しい投資信託が作られていたので、その新しい商品を売るためにも、いくら学んでも学ぶことがあるような状態でした。その時代に合わせたテーマ型の投資信託が多かったので、これからの日本社会や、世界の経済情勢と合わせて、お客様にどうやってお話しするか、日々考えていました。

社会や経済のトレンドをキャッチアップするというところでは、今の編集者という仕事につながるところもありそうですね。

そうですね。私が入社した年(2008年)にリーマン・ショックが起きたんです。入社して夏に資格をやっと取って営業に出たら、9月にリーマン・ショックが起きて、株価が急激に下落しました。その時は一気に営業が難しくなって、「大変なことになった」と思いました。ただ、逆にそこからもう株価は基本的に上がるしかないので、買っていただきやすいタイミングでもありました。そうした経験をしたことで、証券の難しさとともに、奥深さも知りました。

自分が売るもので、もしかするとお客さまに損させてしまうかもしれないという点では、証券って非常に特殊だと思うんですよね。だからこそ常に迷いはありましたが、自信を持ってお客さまにお勧めできるようになるまで勉強しなければと思いました。自分の中で根拠を見つけておくことで、その自信が身につくと思うので、今の分析ともちょっと似てるのですが、今までの株価はどうだったかとか、業績はどうだったかということを調べて、自分でも納得できるまでやり切ることを学んだと思います。

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それから、フリーランスのライターに転身されたんですよね。

証券会社を家庭の事情で退職し、転勤族の家族に帯同して頻繁に引っ越しをしていた関係で、どこでも働ける個人事業主という働き方を選択しました。子どもも小さかったので、非常に働きにくい状況ではありましたが、やっぱり仕事は続けていたかったんです。

実は、新卒の就職活動で出版社を受けていたくらい、ライターや編集者という仕事には憧れがあったので、そういった思いも叶えられる仕事ということで、ライターになりました。

大好きな”書く仕事”ができるから続けたフリーランスライターの仕事

ライターとしては、どんな記事を執筆されていたのでしょうか。

最初はとにかく実績を作るために、さまざまなテーマの記事を書いていました。最初はライフ系の記事が多く、それからは教育や育児のネタも結構扱いました。執筆先としては、女性向けのサイトが多かったですね。金融系のネタも扱うことはあったのですが、主にSEOを狙うものが多く、ローンをテーマにした記事が多かったです。子育て系のフリーペーパーで取材したり、子育てサイトで編集したりもしました。

フリーランスの働き方を続けていたのは、やはり家庭の事情が大きいですか?

もちろん、当時の自分の状況でできる仕事として選択肢は多くありませんでしたが、個人的には結構フリーランスは性に合っていたと思いますね。自分で自由に働けることや、数多くのサイトに関われること、また大好きな書く仕事ができるという点で、自分で選んで続けていました。

その後、宮野さんは、「LIMO」の前身である「投信1(ワン)」で執筆を始めたんですよね。

2017年に、証券会社でやってきたことが生かせるということもあって、自己応募して「投信1」のライターになりました。子育てや教育、ライフ系の記事があることも、自分のこれまでやってきた実績が生かせると思い、大きなメリットでした。

業務委託でライターとして仕事をする中で、代表取締役でコンテンツ・マネージャー(CM)を務める泉田さんから声をかけていただき、編集者としてナビゲータープラットフォーム(現:モニクルリサーチ)に入社することになりました。

入社後に芽生えた”金融教育への思い”

入社されてから、仕事の仕方に変化はありましたか?

実はそこで初めて一次情報を参考に分析して記事を書くという今のスタイルのライティングを始めたんです。はじめは衝撃的でした。年金や貯蓄の記事を書いたんですけど、細かい字で書かれた複雑な資料をもとに記事を書く経験自体がほとんど初めてだったので、最初はどうやってその資料を記事化するか、右往左往していました。

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当時扱ったテーマで、印象に残っているものはありますか?

厚生年金のグラフで、男女別の受給権者数が1万円刻みでわかる資料があるんですけど、当時、男性の厚生年金の平均は月々約16万円に対して、女性は月々約10万円だったんです。6万円も違うという事実に、大きなショックを受けました。

私自身、子どもを産んでから働き方をセーブしました。転勤への帯同や子育てをするためにはそれが普通だと思っていましたが、働き方を変えることでこれだけ老後に影響が及ぶとは想像していませんでした。もしこのまま何も知らずに老後を迎えていたら、年金をもらえるタイミングで厚生年金が少ないことに気づいていたんだなって思うと、「知る機会」がないということがすごく怖く感じたんです。知る機会がなければ、老後まで見通したキャリアプランやライフプランを考え、その時々に選択していくことも難しいですよね。日本の金融教育がまだまだ行き届いていないからこそ、そういった一次情報を伝える役割を、編集者として果たしていきたいと思いました。

入社してから、編集者として宮野さん自身の意識は変化しましたか。

「読まれる記事を作ること」への意識は変わりましたね。ライターの時は、自分の書きたいことを書いていたので、編集者になってからもしばらくは、書きたいことを書き続けていたんです。そうすると、自分に課された目標に対して未達が続き、このまま編集者を続けてもいいのか悩むようになりました。そんな中、「書きたいことを書き続けたかったら、読まれる記事を届けなければいけない」と感じはじめました。

それからは、読まれる記事の分析をして、その分析を元に記事を作成するようになりました。今の社会でどのような記事が必要とされているかリサーチし、読まれる記事を多くの読者へ届けたいと意識が変わったんです。

周りの編集者の方たちが本当にいい方ばかりで、「こうすると読まれやすくなるよ」とか「こんな情報があるよ」などと、アドバイスをくれるんです。その姿勢には本当に感動しましたし、助けられましたね。当時のサポートがあるから、今の自分があると思っています。

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編集長に就任、マネジメントを行う上で心がけていること

編集部の中でも、役割が変わっていったと思いますが、いつ頃どんな風に変わりましたか?

昨夏からは、ACM(アシスタント・コンテンツ・マネージャー)としてチームのマネジメントをするとともに、コンテンツの企画もより責任を持って決定する立場になりました。そして10月からは、DCM(デピュティ・コンテンツ・マネージャー)に就任し、CM(コンテンツ・マネージャー)である泉田さんのサポートをしています。

マネジメントにおいて、心がけていることはありますか?

一番大切にしていることは、信頼関係を築くことです。どうしても上司と部下という関係性って上から下に指導するとか指摘するという関係になってしまいがちですが、私自身は話し合いができる関係性でいたいんです。もちろん役職としての職責は果たしますが、上から指示だけであったり、決めつけるというのは違うと思っていて。

信頼関係を築くためには、何よりも対話が大事だと思っているので、相手の話をよく聞くようにしています。普段から本音で話すことや、アイデアベースでも伝えるような関係性があれば、相手がどんなことが得意で、どんなことが苦手なのかがわかりますよね。みんながそれぞれの特性や得意なことを生かしてもらいたいと思っているので、まずは相手をよく知り、信頼関係を作ることを重視しています。

信頼関係を築いたその先には、それぞれが自分らしく働ける組織があるということですね。

仕事って続けることが大事なので、無理は絶対によくないですし、その人に合ったことをしてもらうのがベストだと思うんですよね。だから、その人が何が得意で何が苦手なのかをすごく見るし、直接聞きたいと思っています。上から「こうして」って言うんじゃなくて、「私も一緒に考えます、一緒に考えましょう」という言い方をするようにしています。

そもそも、ナビプラの方々って、それぞれに得意分野が違っていて多才なので、皆さんのことを私自身が尊敬しているんですよね。ただ、皆さんすごく謙虚なので、自分の強みをアピールしない人も多くて、「え、そんなことできるんですか?」って驚かされることも多いんですよ(笑)。だから、マネジメントする立場だからこそ、皆さんの意志を尊重して、それぞれの編集者が輝ける場所を作る役割を果たしたいと思っています。編集者が出せる能力を100%発揮してもらえるように、これからも努力していきたいですね。

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LIMOは読者が「自分にあった選択」をできるようにサポートしたい

LIMOの編集長として、LIMOをどんなメディアにしていきたいと考えていますか?

LIMOは昨年5月に月間UU(ユニークユーザー)数が1200万人を超え、国内最大級の経済メディアへと成長を遂げています。そんなLIMOが大切にしたい編集方針は大きく3つあります。

1つ目は、くらしに関わるお金の領域で、読者が「自分にあった選択」をできるようにコンテンツを通じてサポートすることです。

日本では少子高齢化が進み、世界的にはAIの台頭もあり、「自分たちの将来はどうなるのか」「同じ仕事を続けていても大丈夫なのか」などの不安を感じる方も多いと思います。そうした環境の中、はたらき方や生き方、家族のかたちまでもが、断続的に変化しています。その中で、一昔前のように「こうすれば正解」というようなロールモデルは少なくなりました。

一方、正解がないとは、見方を変えれば「一人ひとり自分にあったはたらき方や生き方を選べる時代になった」ともいえます。正解がなく、また先が見えにくい中では、自分自身ができることを考え、選択し、行動していくことが重要です。自分らしい選択の精度を上げるには、小さなものから大きなものまで「日々何を選択するか」を自分で考え、その時に最適な選択をしていくことが必要になってきます。

その中で、LIMOはコンテンツを通じて、読者の皆様が自分らしい選択をできるようサポートをしていきます。LIMOでは、投資や資産形成、資産運用といった金融ジャンルから、ファッションや雑貨、飲食店から旅行といったくらしの中でお金がかかわるジャンルまで、編集者の専門性や経験を生かした記事や実体験記事を配信することで、読者に活用いただけるよう、コンテンツ制作をしていきたいと思っています。

2つ目、3つ目のポイントはなんですか?

2つ目のポイントは、多様な経験かつ専門性をもつ編集者が難しいニュースもわかりやすく伝えることです。経済メディアとしてのLIMOの役割は「くらしとお金の課題を解決する」ことです。LIMO編集部には、メガバンクや証券会社、公務員出身、また厚生労働省担当の記者や大手ファッション誌の編集長などを経験した、専門性と各領域での経験をもつ編集者が集まっています。

そうしたバックグランドを持つ編集者一人ひとりが、自身の経験や知見にもとづき、読者に寄り添った切り口を考えて難しい話でもわかりやすくニュースを解説しています。ニュースをわかりやすく伝えることは、今後もずっと続けていきたいと思っています。

そして、3つ目のポイントは、一次情報をもとに分析した内容を正確に伝えることです。ネット上には数多くの情報があふれていますが、LIMOは一次情報をもとに分析し、正確に情報を伝えることを大事にしています。LIMOが利用する一次情報は、専門性がある編集者が、読者に伝えたい、読者が理解しやすいと思える情報を選んでいます。

一次情報をベースにコンテンツ制作を行うことで、読者が不安に思ったり迷ったりすることがなくなるように、工夫しています。LIMOがずっと大切にしてきた大きな特徴なので、これからも大切に伝えていきたいです。

本日は、ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。

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